2014年1月30日木曜日

エネチャージって何?

最近盛んにCMで聞くエネチャージ。これって何でしょう。

ざっくりと言ってしまえば「ハイブリッドカーの簡単で安いところだけ使いました」って感じです。

しかしその簡単で安いところがハイブリッドカーの根幹を成しているので、なかなか効果があったりします。エネチャージとハイブリッドカーを比較しながら解説してみましょう。

エネチャージって?

エネチャージとは「熱として捨ててしまうエネルギー」を電気として回収し、再利用する機能です。「熱として捨ててしまうエネルギー」とは何でしょうか。それには「ブレーキ」が大きく関わっています。

知らなきゃエコカーは理解できないブレーキの基本

ブレーキは「車の持つ運動エネルギーを熱エネルギーへ変換する装置」です。この仕組みにより車から運動エネルギーを奪い、結果として車が止まります。

ところがこれが大問題です。せっかくエンジンで得た運動エネルギーなのに、熱にして大気に捨ててしまうのです。実にもったいない。

ハイブリッドカーやエネチャージは、運動エネルギーを熱として捨てるのをやめて電気として回収しようとする車です。


電気としてためたエネルギーはどうするの?

上記のように、ハイブリッドカーやエネチャージは本来捨ててしまうエネルギーを電気として蓄えました。蓄えたエネルギーをどうするのでしょう。

ハイブリッドカーの場合

ハイブリッドカーは、ご存知のとおり電気で走ります。電気で走った分は燃料を使いません。燃料を使わない分、燃費がよくなります。これがハイブリッドカーです。

エネチャージの場合

エネチャージは電気で走ることは出来ません。では蓄えた電気をどうするのでしょうか。

答えは「電気は電気として使う」です。現代の自動車は、例えガソリン車であっても電気を良く使います。例えばスパークプラグやブレーキランプなどが分かりやすいですが、他にもコンピュータがたくさん積まれていたり、オーディオも電気で動いていますね。

電気で走れなくても使い道はあるのです。ガソリン車ではエンジンの補機で発電した電気でこれらの電装品を動かしますが、エネチャージは回収した電気でまかなう事が出来ます。

エネチャージのメリットとデメリット

エネチャージの仕組みは理解していただけたと思います。
ではハイブリッドと比べてどうなんでしょう。

エネチャージのメリット

メリットは安い!これに尽きます。電気で走ることが出来ない=電気で走る仕組みが要らない、です。ハイブリッドカーと比べて安上がりです。

エネチャージのデメリット

デメリットは、ハイブリッドと比べて効果が少ない事です。「電気で走る」ということは物凄い量の電気を使います。それと比べると車の電装品が使う電気の量は知れています。
従って、ハイブリッドカーは大量の電気を回収し大量に使えるのに対し、エネチャージは少しだけ回収して少しだけ使う、という仕組みになってしまいます。

エネチャージから学ぶこと

エネチャージとハイブリッドカーを比べて分かる事があります。
それは「ハイブリッドカーは電気で走るから燃費が良いわけではない」という事です。

捨ててしまうエネルギーを回収して再利用できるから燃費が良いのであって、その使い道は何だって良いのです。たまたま電気で走る以外に選択肢がなかっただけです。

すると、エコカーの向かうべき道が見えてきますが、それはまた別の機会にまとめたいと思います。

2014年1月15日水曜日

東京オートサロン感想

東京モーターショーが拍子抜けするほど詰まらなかったので、オートサロンに行ってきました。個人的な嗜好と合うというのもありますが、こちらの方が遥かに面白かったのでご紹介。

会場はこんな雰囲気。モーターショーと比べ煌びやかです。会場が幕張メッセと言うこともあり、モーターショーより規模が大きいという逆転現象が。会期は3日ですけどね。


オートサロンのメインコンテンツは、ここ数年はミニバンとハイエースのドレスアップとオーディオ系だったのですが、86の登場により一変。スポーツカーがメインへと返り咲きました。これは嬉しい誤算。そして予想通りの86祭りです。

映っている5台全て86!
これにつられて他のメーカーもスポーツカーを出してくれることを願っています。

旧車もまだまだ人気があるようです。
L型の3連ツインキャブ!
オートサロンはレーサー気取りの良い子ちゃんのためのイベントではありません。従って、このように美しさ重視のエンジンルームなんていうコンテンツが成立するのも面白いところです。「これ効果あるの?」なんていう無粋な奴は「サーキットから出てくんな!」という雰囲気です。

そんな反社会的なイベントにも関わらず、近年は大手メーカーも力を入れるようになってきました。
トヨタはブランド別に5ブースと圧倒的。日産はミハエル・クルム選手のトークショー、ブリジストンも謎のショーを開催するなど、モーターショーより盛り上がってたんじゃないかなぁ。

ミハエル・クルム選手


謎のショー。昔はモーターショーでもよく見かけました。
 スポーツカーを持つトヨタと日産は大盛況。コペンを発表したダイハツもなかなか。一方ホンダはS660を持ってしても空気。確かにコペンのほうが気になった。
それもそのはず。ダイハツはモーターショーとは違うバージョンを2つ用意し、開発者のトークショーを開催。絶対に負けられないという気迫を感じます。今年のトヨタグループは本当に圧倒的です。



マツダとスバルは華のある車が不在で、コンテンツ不足に苦しんでいました。しかしブースはしっかりでやる気は充分。特にSTiは物販も用意していい熱気。
「SUBARU」の看板より「BOXER」の看板が目立ったあたりも、意地を感じました。
もう一ヶ月後ならWRXを展示できただろうに!
WRXありましたw

BRZも「トヨタ車」というのが定着しつつある。なんて不憫な! スバルをもっと見てあげて!

そしてお待ちどおさま。オートサロンといえばこれです。
来て良かったと思う瞬間。
決してこれを目的に来たわけじゃないけれども、これがなきゃ寂しい。群がるカメラ小僧も風情というもの。
そして今年も恒例のキラキラしたあいつらが来てました。



というわけで、メンバー3人のベストショット集。

ショーカー用の特殊塗装。
革張り!
車も女も目力!

蛇柄。本当に凸凹してます。

なんかいい。これぞって感じ。

眩しい! 見た目は意外とチープなんですが写真栄えが凄い。

BRZはスバルの車です! ここテストに出ます!
会場は華やか。
美しさ重視。



このあたり物販に使えるレベル。
トミーカイラが洒落っ気を出してる件。

何をしに来たか忘れる瞬間。

以上、来年からはこっちに行くぜ!

2014年1月11日土曜日

SUVを買うメリットは無い

SUVというとオフロードのイメージがありますが、本当にそうでしょうか。他にもSUVにはさまざまな疑問が残ります。今回はこれらをまとめてみました。

消費者がSUVに期待していること

SUVを買った理由を尋ねると「皆でキャンプやスキーや云々」という、まるで台本があるかのような答えが返ってきます。ぼんやりと、皆が何に期待しているのかと言うことが分かります。

しかし、SUVでなければ辿り着けないスキー場やキャンプ場がこの国にあるでしょうか。
SUVで「新たに可能になる事」は、ひとつもないのです。

おおよそこんな感じです。

・SUVは燃費が悪い
・SUVは5人しか乗れない
・SUVは荷物が載らない
・SUVは悪路を走れない

SUVは燃費が悪い

これは説明不要だと思います。重く大きな車の燃費がよくなろうはずがありません。
ハイブリッドですら20km/L前後。ガソリン車のカローラと同じです。
SUVでないハイブリッドだと30km/L程度です。


SUVは5人しか乗れない

7人乗れるSUVはほとんどありません。
ランクル・プラド、エクストレイル、アウトランダー、数えるほどしかありません。
そして多人数乗るならミニバンのほうが快適です。

SUVには荷物が載らない

ほとんどのSUVは荷物を載せるとこうなります。
2人しか乗れなくなりました。これで良いのであれば、ワゴンや軽だって出来ます。
参考までに筆者のセリカでもリアをたたんで良いのであれば、タイヤ4本と自転車二台が同時に入りました。

SUVは悪路を走れない

SUVの取扱説明書には必ずこのような記載があります。
“オフロード走行やラリー走行用ではありません” (引用元-エクストレイル取説P97)

そのとおりなのです。
SUVにオフロードを走破する機能はありません。オフロードを走る車はクロスカントリー(以下クロカン)と呼ばれ、国産ではパジェロ、ランクル、FJクルーザー、ジムニー、エスクード、フォレスターのみです。

これらの車はひと目でわかります。クロカンは下の図のような角度が重要視されます。
デパーチャーアングルとアプローチアングル

ランプブレイクオーバーアングル
この角度に余裕がないと、障害物を乗り越えられないからです。
メーカーのウェブサイトを見ればすぐ分かりますが、クロカンにはこの角度が必ず記載され、悪路走破性のアピールポイントとなっています。一方、SUVには記載がありません。

他にもトランスファーやデフロックもクロカンだけに備えられた機能で、オフロード走行には「必須」です。SUVにはありません。

更に4WDはファミリーカーのほとんどで選択可能であり、SUV固有の機能ではありません。

まとめ - 仮に山に出かけるとして

以上、SUVのメリットがひとつも無いことを解説してみました。

例えば山奥深くにアウトドアへ出かけるとしましょう。

山奥とはいえ、日本では道路が整備されています。そもそもSUVはオフロードを走ることが出来ませんので、道路が無ければSUVでも行けません。
従って、ここまではどの車でも可能です。

また、山奥では道路が狭くなります。前を走る軽自動車は簡単にすれ違ってどんどん進んでいきますが、SUVではそうはいきません。

さて雪が積もってきました。しかしスタッドレスタイヤの進歩は目覚しく、FFでもFRでもスタックしているクルマは見当たりません。そういえば北海道のタクシーだってFRです。
もちろん4WDのほうが有利ですが、軽でもミニバンでもワゴンでもセダンでも4WDがあります。

このように、「SUVでよかった」という状況は絶対に発生しません。

安いSUV(200万円)から最も高い4WDの軽(150万)に変えても50万浮きます。50万あれば北海道へスキー旅行が何回できるでしょう。
最高のボードとウェアを買うことも出来ます。
暖かいテントや寝袋も買えますね。

アウトドアが目的であれば、どの車でも出来ます。
オフロード走行が目的であれば、クロカンを買いましょう。

2014年1月4日土曜日

オイル上がり/下がりって何?

オイル上がり、オイル下がりという言葉をたまに聞くと思います。
これって何でしょう。エンジンの不具合みたいだけど……なんて事はないでしょうか。

オイル管理を適切に行えば遅らせることは出来きますが、永久に防ぐことは出来ない症状のひとつです。愛着の湧いたクルマを長く乗りたいと願う諸氏は知っていても損はありません。というわけで、オイル上がり、下がりに分けて解説したいと思います。


オイル上がり

まずオイル上がり。こちらは簡単なので文字だけで済ませてしまいます。
まず「どこに」オイルが上がるのかですが、燃焼室に上がってきます。
上がってくるということは下からやってきます。

つまりピストンの下、クランクケースからです。
通常クランクケースから供給された(と言うと格好が良いですが、飛沫として飛んでくるだけです)オイルはシリンダーにたっぷり付着します。それをピストンに装着されたオイルリングが適量に掻き落とします。そのため、潤滑を維持しながらも燃焼室には不必要にオイルが入り込まないのです。

しかし何らかの理由でオイルリングが機能不全を起こすと、掻き落とせなかったオイルがそのまま燃焼室に進入します。オイルが上がってしまいました。
オイルリングの機能不全は、固着・フラッタリング・スカッフィングなどですが、普段から問題の無いエンジンであったのならば、オイル管理やオーバーヒートが原因になります。

オイル下がり

一方オイル下がりはこうです。

シリンダーヘッドの図です。

シリンダーヘッドにもたくさんオイルが供給されており、本来は然るべきオイルラインを通ってオイルパンに戻ります。しかし、図の赤、バルブステムシールがだめになると、オイルをせき止められなくなり、バルブガイドを通って燃焼室へオイルが垂れます。
これがオイル下がりです。

多くの場合、オイル管理が悪いために起こる不具合なのでスラッジなどでバルブガイドもクリアランスが広がっており、症状に拍車をかけている場合が多く見られます。


症状と対策

オイル上がりと下がりどちらが起こっても、燃焼室に入ったオイルが燃えてマフラーからはもくもくと白煙があがります。匂いもきついのですぐに分かるはずです。
これを放っておくと大きなトラブルに繋がります。

オイルが燃えると大量のスラッジが発生しますので、それがピストンリングに溜まり固着を起こすと、エンジンブローに繋がります。従って、出来る限り早く対策するのが好ましいですが、オーバーホール(OH)となるため費用がかさみます。

従って、長く長くエンジンを持たせるのであれば、どこかのタイミングでOHを行えばこれらの症状を防げると同時に、さまざまなマイナートラブルの原因を取り除くことが出来るので一番効率的です。

長く乗りたいと考えている方は、今のうちからOHの費用を蓄えておいたほうが良いかもしれませんね。

2013年12月6日金曜日

スロットルの選び方

今回はチューニング系の話題です。

タイトルにある通り、テーマはスロットルです。
スロットルを小さくしたいという人は稀だと思いますので、大経スロットルについて考えていきたいと思います。多連スロットルやスライドスロットルについては別の機会にします。


大経スロットルは“効果が体感できるのに効果がない”パーツの筆頭だと思います。
どういうことか以下の図を見てください。赤が大経スロットル、青がノーマルです。

まずスロットルの前提として、大きければパワーアップするわけではありません。どのエンジンにも、これ以上大きくしても無意味な値が存在します。
上図では緑のラインがそれにあたります。従って、純正スロットルでこの値までスロットルを開くことができるのであれば、スロットルの経を広げる必要はないことになります。

ではなぜ体感が大きいのか。これも実に簡単です。
上図から分かるとおり、同じペダルの踏み方をしたら大経スロットルの方が開いています。スロットルが開けばそれだけパワーがでるので、いつもより加速が良いのは当然なのです。

しかしピークパワーは緑のラインで決まりますので、パワーアップしているわけではありません。単にいつもより多めにアクセルを踏み増ししているのと同じなのです。

もう一つ注意すべき点は、エンジンの出力をコントロールできるペダルのストローク量が減少してしまうことです。アクセルコントロールは難しくなります。

従って、スロットルの経を変更する必要があるのは、スロットルが吸気のボトルネックになっている場合です。スロットルを変更して出力を図らなければいけないので、意外と面倒ですがパワーチェックはそこまで高くないですし、スロットル交換も簡単な作業です。ユーザーレベルでの検証も可能ですが、気温や湿度が変わらないように短時間で済ませるべきですね。


2013年12月3日火曜日

東京モーターショー感想

東京モーターショーに行ってきました。

市販車からコンセプトカーまで多種多様な車が展示されていますが、その中でも気になったものをピックアップしていました。


では、いきなり本命とも言えるホンダのS660から。

ここ数年“どこのメーカーよりも枠にはまっている”ホンダのテーマが「枠にはまるな」ってのは正直ちゃんちゃらおかしいですが、まだやる気はあるようです。

市販前提と言われているS660ですが、現代の安全基準で660ccのスポーツカーというのは無理があるかもしれません。N系のターボを乗るとわかりますが、明らかなパワー不足です。

スポーツカーだからといって必ずしもハイパワーである必要はありません。しかし最低限の加速ができなければ面白くありません。これはホンダが悪いわけではなく、軽の64ps自主規制が原因です。660ccターボであればまだまだパワーが出せます。

従ってチューニング前提であればなかなか面白い選択肢となりそうですが、そうでなければロードスターを買ったほうが良いでしょう。

あるいはとにかく維持費を抑えたいけどスポーツカーを所有したいというニーズには答えられるかもしれません。


次に同じような構成のダイハツ・コペン。
コペンはスポーツカーというより、気ままなオープンカーというイメージが強く、そういう購買層があるでしょうし、動力性能はそこまで問題にならなさそうです。

それらをわかって買うのであれば、S660とコペン、見た目が好きな方を買えば良いのでは、というのが素直な感想です。個人的にあまり興味はありませんが、こういう選択肢があるということが一般に認知されるきっかけになることを期待しています。


最後に日産・IDx。
若者の意見を集めた結果とのことですが、ほんとかよ。といった感想。
しかし好きだ! これぞ国産車だと思います。

とはいえコンセプトカー。市販されるかどうかもわからないのでそれだけです。
自分の納得するパッケージで市販されて欲しい気持ちはありますが、市場のニーズと私のニーズが重なっている保証もなく、優先されるべきは市場のニーズです。

個人的にはシルビアと同じような構成が好きなのですが、ほかの方はどうなんでしょうね。

2013年11月18日月曜日

エンジンオイルはなんでもいい

エンジンオイルについて考えてみましょう。


エンジンオイルの概要


エンジンオイルに求められる性能は六つと言われています。
それは

・減摩
・緩衝
・清浄
・密封
・防錆
・冷却

です。

これらの項目全てにおいて、必要な性能を満たしていればエンジンオイルとして問題ありません。そして一般に流通しているオイルはこれらの項目を満たしていると言えます。ただし、それは一般的な運転においての話であり、モータースポーツ用途となると話は別です。

モータースポーツでは高回転を多用するため、減摩や緩衝に問題が発生します。油膜が切れて金属同士が直接接触し、破壊が起きます。それを回避するためには、油膜をきっちりと保持しなくてはなりません。

油膜を保持できればそれはモータースポーツ用途としても適正と言えます。しかし本当のレース用エンジンなど徹底的に詰めなければならない次元や、メーカーの実験の世界になってくると、ほとんど同じオイルであるはずなのに片方は問題なく、もう片方はブロー、なんてこともあるほど未解明な部分が残っていることは覚えておいても損はありません。


以上がエンジンオイルの概要です。


では、油膜を保持する方法を考えてみましょう。

ユーザーレベルでできることは大きく分けて三つあります。

まずオイルの粘度を上げること、次に性能の高いベースオイルを使うこと。三つ目はオイルの温度を管理することです。

オイルの粘度を上げる


粘度を上げると油膜が厚くなります。これにより、油膜の保持が期待できます。しかしながらこれに関しては、給油とフリクションについて気をつけなければいけません。

まず給油についてです。粘度を上げる事は油膜の保持に効果がありますが、給油に障害が出る可能性があります。問題は特にクランクピンで起こります。クランクピンは高回転エンジンにおいて最も潤滑が厳しい箇所です。

クランクピンへの給油は細く長いオイルラインを通ってくるため、粘度が高いとスムーズに給油されなくなってしまいます。給油が適切に行われないと、クランクピンの潤滑はもちろん冷却にも問題が出てきます。負荷が大きいにも関わらずクーラントが届かないため、潤滑ができているのであればオイルはジャバジャバ流しクランクピンを冷却したほうが良いでしょう。

次にフリクションについてですが、粘度が上がればフリクションが増大します。そのぶんエンジンのパフォーマンスを損なうことになります。

上記のように、闇雲に粘度を上げることはエンジンにとって好ましいことではありません。

性能の高いベースオイルを選ぶ


ベースオイルは一般的に3タイプ、鉱物油、半合成、全合成とありますが、最近は鉱物油から作られた高度水素化分解という化学合成っぽいものもあります。

近年では精製技術が非常に高く、鉱物油でも不純物はほとんど含まれていません。従って、ベースオイルにこだわる必要はないという意見もありますが、それはあくまでシティユースでの話です。

化学合成油は油膜の保持力が高いのが特徴です。従って、粘度を上げずに油膜を保持できるのでモータースポーツとしては有利に働きます。その差を埋めるべく鉱物油には高分子ポリマーが多量に添加されることが多いのですが、これは高温時にはあっさりと剪断されサラサラになってしまいます。高温・高回転時の油膜保持力はやはり化学合成油に軍配が上がります。

また、バルブステムのガイド部はオイルが出て行く先がないので燃え尽きえるように設計されています。従って、ここに分子構造の不揃いな鉱物油が入り込むと燃え残りが発生し、スラッジとして貯まります。これがバルブガイドシールを痛める原因になると林教授は著書で書いていますが、影響は比較的軽微であるようです。

以上、サーキット走行においては保険として化学合成油を選んでおくべきでしょう。反対に、それ以外では化学合成油のメリットを享受できることはないと考えて問題ありません。

オイルの温度管理


次にオイルの温度管理についてですが、これは単純です。油温がぐんぐん上がるサーキット上においてその温度上昇を止める手を講じておけば、オイルの保護性能を維持できます。これはオイルクーラーを利用するのが手っ取り早くて現実的です。オイルは125~130℃を超えると急激に潤滑性能を失います。それ以下、一般的に85℃程度が望ましいと言われていますが、開発者によってはブローバイから混入するガソリンを嫌い、100~110℃が望ましいと言われることもあります。


まとめ:オイルの選び方


エンジンオイルはシティユースかサーキット走行を想定しているかで大きく違います。

シティユースでは市販されているほぼ全てのオイルが要求性能を全て満たしていると言えます。従って問題となるのはメーカーの指定粘度と劣化です。指定された粘度をまもり、定期的な交換をすれば問題が起こることはありません。高価なオイルのメリットを享受することはできないので、安価なオイルを選ぶべきです。フィーリングを求めるのであれば指定粘度内で粘度を下げることが最も有効かつ安価な方法です。

サーキット走行を視野に入れた場合は、油膜の保持を念頭に適切なオイルを選ぶ必要があります。油膜の保持力は極力ベースオイルで確保し、粘度上昇は最低限にするのが望ましいと言えます。また油温の上昇はあらゆるオイルの潤滑性能を著しく損なうため対策が必要です。


以上。